はじめに
以前から興味のあった自作キーボードに入門しました。
きっかけは肩こり対策です。
分割キーボードを使うと自然な姿勢になるので、PCに向かっているときの姿勢改善になるという噂を聴きました。
調べていくうちに自作キーボード(分割キーボード)の世界に興味を持った感じです。
本記事では初めての自作キーボード作成についてまとめていきます。
今まで使っていたキーボード
長年愛用していたのは「Thinkpad Trackpoint Keybord II」です。
トラックポイントとThinkpadのパチパチとした打鍵感が好きで、前モデルから使っていました。
Bluetoothだけでなく無線接続もできるので、入力飛びもなく使いやすいキーボードでした。
SurfaceProシリーズとの組み合わせは最高で、今でも外で作業をするときには持ち歩いています。
2つ目は「BAROCCO MD770 静音赤軸」
分割キーボードを使うと自然な姿勢になるので、肩こりになりにくいと聞きました。
それで買ったのがこちら。
上記リンクは赤軸ですが、ピンク軸を使っていました。
狙い通り姿勢改善は出来たのですが、打鍵感が。。。
今までパンタグラフのキーボードしか使ってこなかったので底打ちが癖になり、今まで以上に指に力が入っていたようです。
それに、キーボードのショートカットをカスタマイズするため「keyhac」などを使っていましたが、組み合わせによっては誤作動や意図しない動きになることがありました。
また、レイヤ切り替えに使えるキーも限られるため、多くの操作を割り当てるためには既存のショートカットを無効にする必要もありました。
そこで、ハードウェアベースでショートカットを設定でき、さらにストロークが浅いロープロファイルと親指キーが複数ある自作キーボードを選択しました。
選んだもの
自作キーボードを選ぶに当たって以下の条件を重視しました。
- ロープロファイル
- 親指キーがいくつかある
- 無線化可能
実機に触れたら他のものを選んだかもしれませんが、地方在住で実機のあるお店に行く機会もないためネットの情報をもと選びました。
というわけで候補に上がったのが「Lily58 pro」と「7skb」でした。
この2つから最終的に、「Lily58 pro」を選びました。
理由は「Columnar Staggered」配列を使ってみたかったからです。
購入は「遊舎工房」様の通販にて。
その他購入したものはこちら
- Kailh Chocロープロファイルスイッチ(Red Pro)
- MBK Choc Low-Profile Keycaps 白(1U 60個、1.5U 2個)
- TRRSケーブル 1m(遊舎工房で購入)
- マグネット式USBケーブル(micro-USB、USB Type-C)
工具など
私は電子工作(はんだゴテを使うもの)は正直初めてです。
はんだゴテを触ったのは多分小学生以来。ファミコンやスーファミのACアダプターがよく断線するので、修理のために父親のを使ったのが最後と思います。
その頃は使い方もよくわからず、山盛りにするのが良いことだと思って丸い玉状にしてたような気がします。
初心者なのではんだ付けについて調査。
富士山型が上手な付け方とか、温度調整が重要とか、こて先をきれいな状態に保つとか。
また、安いはんだゴテだと温度が一定にならないから難しいという情報も見ました。
ここらへんが参考になりました。
初心者なので使いにくい工具で試行錯誤するより、ちょっと高くても使いやすい工具をと思いました。
結果、自作キーボード界隈で他の皆さんがオススメしているはんだゴテを購入しましたが、オススメされるのには理由があるんだなと感じました。
実際、はんだが多すぎたり、上手く出来てるように見えても通電していないとか何度か失敗もしましたがいい感じに出来た気がします。
はんだ付けのコツは温度管理と加熱時間。
340℃くらいに保って、接合部を温めた後にはんだを流せば上手くいく感じ。
あと、こて先掃除はまめに。
安物のはんだコテだと温度調節が上手く行かない(調節機能があっても)ものもあるそうなので、少し値段が張っても評価の高いものを購入したほうが失敗がないかと思います。
下記が購入した工具です。
はんだゴテはよくオススメされているだけあって、使いやすかったです。
(他のコテを使ったことは無いので比較はできませんが)
- はんだゴテ
- コテ台
- こて先(C2型)
- はんだ 0.8mm(鉛混合)
- はんだ吸い取り線 3mm
- 逆作用ピンセット
その他使ったもの
- グルーガン(ホットボンド)
ProMicroのUSB端子のモゲ対策にエポキシ系接着剤がよく紹介されていますが家にグルーガンがあったのでそちらで代用しました。 - マスキングテープ
スイッチなど、裏からはんだ付けするパーツを固定するために使用 - 作業用マット
机の傷対策。
カッティングマットを利用(耐熱加工されていないので、ところどころ焦げてしまった。)
作業開始
手順は公式サイトを見ながら進めます。
はんだ付け作業
組み立てパーツ一覧
作業中
手順書通り、先に片側にはんだを盛って取り付けていきます
はんだ付け完成
作業に夢中で途中の写真に撮っていなかった。。。
ProMicroへのファームウェア書き込み
下記サイトを参考に、「QMK Toolbox」からファームウェアをインストールし、
「VIA Configurator」を使ってキーマップを編集します。
気になった点としては 「QMK Toolbox」でファームウェアを書き込むときに、USBを接続してリセットボタンを押すだけでは書き込めないときがあったこと。
リセットボタンを押した後に、「Caterina devic connected」の表示が出ない場合は書き込めなかったです。
上記症状となった場合はUSBの抜き差し後にまたリセットボタンを押すと上手くいくかもしれません。
また、ファームウェアの書き込みが完了すると自動で「disconnected」の表示となります。
不具合発生
組み終わって、ファームウェアをインストール後にキーを設定するぞーというときに、いくつかのキーが反応しない不具合がありました。
基盤を見てみるとソケットが浮いているところやはんだが足りなさそうなところもあったので、反応のなかったキーを再度はんだ付け。
無事動作確認ができました。
その後1ヶ月使って特にトラブル発生していないので、はんだ付けは問題ないかと思います。
使ってみての感想
最初はキー配列(特に小指)の違いに戸惑いました。
1ヶ月ほど使ってみて、ようやく慣れたかなという感じです。
でもたまに親指キーを押し間違えます。
キーキャップは無刻印ですが、それほど気にならないですね。
最初は数字キーや小指部分の記号の割当を迷ったくらいで、慣れてからは特に問題なくなりました。
普段からブラインドタッチをしている人は問題ないかと思います。
また、Cキーを人差し指で押していたり、数字の0を薬指で押していたりと「Columnar Staggered」に変わって、以前の配列での変な癖が目立つ印象です。
完成後しばらくはこんな配置で使っていました。
手の移動距離が短くなるので、トラックボールとの相性バツグンです。
費用について
最後に、今回自作キーボードの制作にかかった費用をまとめます。
キーボード部品
名称 | 個数 | 金額 |
キーボードキット(Lily58 Pro) | 1セット | 16,280円 |
キースイッチ Kailh Choc(Red Pro)10個 | 6セット | 3,168円 |
キーキャップ(1U) 10個 | 6セット | 3,300円 |
キーキャップ(1U Homing) | 2個 | 330円 |
キーキャップ(1.5U) | 2個 | 330円 |
USBケーブル(マグネット式) | 1個 | 1,328円 |
TRRSケーブル 1m | 1個 | 330円 |
合計 | 25,066円 |
工具類
その他にホットボンドや精密ドライバーを使いましたが、家にあったものなので入れていません。
本体代で25,000円、工具込みで3万円程度になりました。
その他、無線化など行ったので+1万円ほどの出費があります。
これを安いと見るか、高いと見るか。
金額だけを見るとHHKBやRealforceも買える値段なので、キー配列やメカニカルキーに価値を見いだせないとしんどいかもしれませんね。
おわりに
仕事終わりの時間を作業に使って、3日程度で組み上げました。
かかった時間は6時間といったところでしょうか。
初めて使うキー配列に戸惑いましたが、分割レイアウトや、レイヤごとにショートカットをカスタマイズできるなど使いやすいです。
ちなみに、私はHHKBやREALFORCEといった静電容量を使ったことがなく、メカニカルも最近使ったBAROCCO MD770が初めてでした。
なので、打鍵感というものにこだわりは無かったのですが(軽さとストロークが重要)、いずれはこだわりが出てくるのでしょうか?
アルミ筐体とかの高級キーボードにはまだ興味が無いですが。。。
続編はこちら
コメント